さあ、俺と秘密をはじめよう



「そうなんですか。理由は…とある人のためにってことで」

微笑みながら俺はそう答える。

「え?」

「文東さんはなんでここに働いているんですか?」

俺は話をそらし、逆に文東さんに聞いた。

「んー俺はさかやんに脅されて」

明るくきっぱりと答える文東さん。

はい?

今なんかすごいことを聞いたような…。

俺はそのことを確認しようともう一度聞き返した。

「文東さん、今、何か陟さんに脅されてって言いませんでした?!」

「うん、言ったよ。まあ、お陰様で大学の費用くらい稼げてるし、おれとしては大助かり」

「はあ…」

俺は唖然とする。

何がどういった経緯で脅されたのかは不明だが、

多分聞いても答えてくれるのだろうけど何故かそれを聞くのに抵抗を感じた。