さあ、俺と秘密をはじめよう




「何の用だじゃねぇー!? てめぇ、あのメールは何なんだ!?」

不機嫌丸出しで出た俺に尚弥の怒声が脳内に響く。


あのメール?




「何のことだ?」

「とぼけんな!! お前の【泊まってくれて、ありがとうな】っていうメールだよ」


あぁ、あれか。


尚弥に言われ、思い出した俺はそのままの意味だと伝えた。


現に尚弥のお陰で助かったしな。
「お袋も、お前にありがとうって言ってた」



「お、おぉう。って、そういう問題じゃねぇ。お前のせいで俺が、どれだけ花那を説得するのに時間がかったか……」

苦悩さが滲み出るような声で尚弥は俺に語る。


それに対しては若干尚弥に、同情しつつ、お疲れさんとだけ口にした。



「そういえば、昌太。お前、いまどこ?」

「どこって、どこだっていいだろ」


慌てた声を出さず、あくまで普通に返答する。

素直に家に居らず、ラブホでヤってますって言えるわけがない。



尚弥が羨ましがるからな。


「あのさ、俺ら今お前ん家にいるんだけどさ」

「はあ!?」


また、何で?

つーか、いま『俺ら』って言ったよな……。