こくこくと頷く樹希。
「そっか。んじゃー兄ちゃんが今すぐに何か作ってやるからな!」
あ、そうだ!
ついでに、と。
「文東さんたちも食べていきませんか?」
「え?まじで?」
「いいの?」
「いいのか?」
発言した順番は諸星さん、文東さん、八嶋さんの順番だ。
「はい。2人作るのも3人作るのも変わりませんから。俺の手作りで良ければですけど…」
「おおおおーマジで!やった!!」
「手作りってすごっ!陽ありがとう」
がっつポーズする諸星さん。
まぁ、喜んでくれるならいいが。
さぁさぁ、上がって下さいと言ってリビングへと通した。
樹希の面倒は諸星さんたちに見てもらい、俺はキッチンへと行く。
「簡単なもので悪いんですがいいですか?」
「「「いいよ」」」
リビングから聞こえてきた。
何しようかな…と考えてしまう。
毎度毎度同じものでも飽きが来る。
かといって、栄養バランスも大切なわけで、
成長する樹希のことも考えないといけない。
時間もかけちゃいけないしなあ…。
「陽君、なんかおれに手伝えることある?」
文東さんがひょことリビングから顔を出す。
「あ、いえ、大丈夫です」
お客様に手伝わせてはいけない。
よし!決めた。
肉じゃがと青物のお浸しとコーンスープと野菜の玄米炊き込みにしよう!
野菜の玄米炊き込みは今朝炊いておいたからOKと。
コーンスープと青物のお浸しと肉じゃがを作るだけだ。
俺はすぐさまエプロンをして作る準備に取り掛かった。
一方、文東たちは――――。
陽が作っている頃、文東たちは樹希の面倒を当然見ていた。


