さあ、俺と秘密をはじめよう



「はいはい。そこの三人。急に話を変えるがいいか?」

頷く俺たち三人。

「よし。ではまぁオーナー命令なんだか、陽たちが間違って覚えているナンパの意味なんだがそれを今から教えるわー」

「お、おい」

「大丈夫だってタク!えっとだな、ナンパの意味とは特に面識や交友関係のない異性(場合によっては同性)に対して、繁華街の路上、海、ディスコ、クラブ、ゲームセンターなどで声をかけて、出会い、デート、セッ…」


「ああああああわああああああーーーー!!その先は禁句!!!!だああああ」

急に八嶋さんの話を止め、叫び出した諸星さんに

「うっせよ!!お客様の迷惑だろ!」

頭にチョップをくらわし、正論を言う。


確かに迷惑だ。うるさかった。

「でも、こいつらにそれは禁句だろ…」

「あ、そうだったな。すまん…」

うむと頷く諸星さん。

一体何が禁句なんだ?

話が見えないんだが…。


俺と文東さんは顔を合わせ、訳が分からないといった風な感じだ。


「でもさー良く考えてみればさ、こいつらぐらいの年ならキスくらいはすませてるだろ?」

「あぁーそれもそうか。で?お前らはさ、キスくらいは済ませてるだろ?」

どういう話になってかは分かんないけど

諸星さんたちは俺たちに話を吹っ掛けてきた。


キス?きす?鱚?

食べるやつの…あの魚のか?

そりゃまー

「食べたことはありますけど…」

「「食べる!?」」

驚きを隠せないといった顔をする諸星さんたちに

文東さんは暢気な笑顔で、

「あー美味しいよねー」

「ですよねー。特に旬の季節だったら」

「「旬!?季節!?」」


「うんうん。寿司でも美味しいけど、刺身でも美味しいよねー」

「ですよねー」

なんか食べ物の話をしてきたら腹が減ってきた。

帰りなんか食べ物買ってから帰ろうかな…。


「あーなんか食べ物の話をしたらお腹減ってきちゃったねー」

文東さんもどうやら同じだったらしく俺もうんうんと賛同する。


「こ、こいつら…まさか…」

「タイチ、まさかじゃなくてそのまさかだよ…」

「だよな…どうみてもさっきの話の内容じゃ…」

「あれ、なんでだろう…目から水たまりが…溢れてきそうで…」

「我慢しろ!それは俺もだ」


こんな会話がされているとも知らず、俺と文東さんは食べ物の会話をしていた。


「陽…鱚でもなくてだな…」

「はい」

「キスだよ」

「?はい?」

鱚だよな?


「タクそれじゃあ、陽たちは分かってねよー。つまりだな…kissだ」