さあ、俺と秘密をはじめよう




そして、自分はつくづくちっぽけな子供なのだ、と。

樹希がせめて大人になるまで俺が頑張って支えなければ!!



だから、今日もここでバイトに勤しんでます。


お客様が帰られ、机に置かれたガラスをトレーに乗せ、カウンターへと持っていくと、


背中越しに、一曲の着うたが流れた。

その歌は一瞬で俺の脳裏に焼き付けるように印象深く、魅了され、

俺はその曲の歌っているヤツを知っていた。


俺は思わずその着うたが流れている携帯を探した。

「その、着うた!」

「え?」

着うたが流れてた携帯の主である、20代前半の女性に近づいた。


女性は当然吃驚したが、すぐに頬を赤く染め上目づかいで俺を見た。

頬が赤いのは気のせいだろうか?きっとお酒に酔っているのだろうと思って、俺は気にも留めず、

その女性に問いただす。

「その着うた・・・どこで・・・?」

「え?ああ・・・これ。携帯のmusicサイトにあったから・・・。シャンプーのCMにこの曲が流れてて、印象にすごく残ってて、良い曲だなあってね。思わず、ダウンロードしちゃったんです」

そう言いながら、女性は携帯を見つめ微笑む。


「そうだったんですか。そのきょ・・・」

バッコーーーンという音がふさわしいような感じに奏でられる音が俺の頭上に降り注いだ。


かなり、それは痛かった。

ええ、なんとも言えぬ痛さですとも。

殴って来た人を確かめようと・・・いや、別に確かめなくとも大方検討は付いていました。

はい、支配人こと陟さんでした。


陟さんの手には扇子があった。

「いっ・・・ったあ・・・。の、陟さん!!」

「あぁん?」

今の陟さんはまさしく番長のごとくです。

「いいえ、めっそうもございません・・・」

ばん・・・じゃなかった陟さんに敬礼する俺。

「ってめぇ・・・仕事中に何女をナンパしてやがんだ!?あぁん?」

「な・・・なんぱって・・・」

あたふたする俺に陟さんは

「お前なぁ~ナンパの意味くらい知ってるだろ?」

がしがしと頭を掻き、あくびをする。

「そ・・・それくらい知ってます。だけど・・・」

この続きを言うのが恥ずかしくなり、自分でも分かるくらい顔が真っ赤になっていると思う。