ブーと収録終了の合図がなる。
そして、席を立ち、収録室から出て監督のところに行く。
「お疲れ様でした!」
大野さん、監督、スタッフの皆さんに挨拶する。
皆、お疲れさまでしたと返事が返ってくる。
「星さん、お疲れです」
「お疲れ様です。大野さん」
「今回の収録楽しかったし、上手く行けたと思うよ」
明るい笑顔を向けてくる大野さん。
大野さんは確か今年で26歳。
年の割には若く見られがちでベビーフェイスと言っても過言ではない。
多分、他の女性にその笑顔を向けたら間違いなく惚れてしまうだろう。
「自分もそう思います。楽しく収録が出来て良かったです」
私も笑顔を大野さんに向ける。
笑顔を向けたら、大野さんの顔が真っ赤になった。
熱?はたまた・・・ここの温度が暑いとか?
「あのー大丈夫ですか…?」
「…へ?」
素頓狂な声で大野さんがはっと気づく。
「熱とかありませんか?」
「へ?ね、熱!?ないない」
と強く言い、首を横に振る。
良かった。
風邪とか引いたら大変だものね。
「体に気をつけて下さいね。風邪とか引いたら大変ですから」
「そうだね…気をつけるよ」
そして、大野さん、監督やスタッフの皆さんと他愛もない会話をして、スタジオを後にし、次の仕事現場へと向かった。
そんな爽歌の決行前夜。


