にこやかに星名は説得力のあることを語った。
『なるほど』と皆口を揃えて言う。
「皆さん、ひどくないですかー。何納得しちゃってるんですかー」
眉を上げ、へそを曲げる了。
お前ほどどす黒いやつはいねーし、身の危険を感じるほど危ないと星名が判断したんだろう。
よってフォローするに値しない。
同情の余地もなにもなく、酷くないだろ。
納得するしかないくらい了は周りにとってそう思われているのだ。
だが、基本腹黒く優しそうに見えて怒ると怖いんだが味方になると頼もしく的確なやつだ。
まあ、何と言っても俺の友人だし仲間だ。
「がんばれ」とだけ言っておいておこう。
「爽歌大丈夫?水野先生がそんなに怖かったんでしょ?」
顔を覗き込む知砂に星名は手を振るって否定する。
「あ、いえ。そ、そんなことはないです…」
星名の表情はの苦笑していたけど、どこか淋しげでだったといことを俺は見ていた。
その淋しげなのは今回のこととは別のことだと気付くのにはもう少し先のことだ。


