今聞いても大丈夫なのかどうかは分からんが聞いてみるかと思って
訊こうとしたら先に尚弥が訊いた。
「水野先生、昨日何であんなに機嫌悪かったんッスか?」
「あぁ?」
すると、瞬夜先生は不機嫌になり雲行きが怪しくなってきた。
「い、い、いや…な、ななな何でもないッス」
それを察したのか尚弥は取り消ししようとした。
「真郷知りたいのか?ああん?」
(こ、こえ~。言い方がまるで番長みたいです、瞬夜先生)
本当に番長みたいだ。この人、過去にどこかシマを張ってたんじゃないのか。とかボスなんでは…はたまたどこかのマフィアのボスか。
とにかく、人を射るような眼で尚弥を見てきた。
まさにここは恐怖政治の中だ。
「い、いえ…」
「そうか、知りたいか。あんの、クソ禿爺!!」
拳で凹っと黒板を殴りつけた。
黒板には当然へこんで拳の跡がつき、周りは怯えている。
その跡からは煙が出ていた。
そして、瞬夜先生はおもいっきり殴りつけた後、独りでに語りだそうとした。
瞬夜先生の横で怯えてる尚弥を昌太が知砂のところまで引きづり、了は平然とするどころかのんきに自分は無害そうに隣で聞いている。
「おめーら、良く聞きやがれ!」
どうせ、不機嫌の理由はしょうもないことなのだと皆分かっているが敢えて言ってはいけないから黙って聞いていた方が身の安全だと
野生の本能が語ってくる。
《この場は皆黙って聞いておいた方がいい》
昌太は心の会話で皆に伝える。
それを全員了承した。
俺の隣で怯えている星名がうさぎに見えて可愛かったが今はそれどころではなかった。
『星名、聞こえてるか?』
小さく瞬夜先生に聞こえないようになるべく音量を最小限に抑えた。
それを聞き取ったみたいで星名は小さくうなづいた。


