さあ、俺と秘密をはじめよう




瞬夜先生は星名に気づき、

「別のクラスの奴が何でいるんだ?」

「あ、すみません」


星名もまた気づいてお辞儀をし教室から出ようとした時、俺は咄嗟に腕をつかんだ。

星名は驚き、周りも何が起こったのか分からないって顔をする。


「えっと…黒崎君?」

「授業受けていけよ。どうせバレやしないからさ」

「いや、すでにバレってぞ」

あ、そうだった。

瞬夜先生に突っ込まれ、俺は作戦に巻き込んでやろうかと考え付いた。


俺は尚弥たちに目線を移し、合図を送り、それを理解したのかOKサインを出した。


「水野先生いいじゃないッスか」

「そうですよ!昨日、今日の授業は自習って言ってたじゃないですか」


知砂の言葉に周りはうんうんと首を縦に振る。

「そうだったか。そう言われればそんな気もしねーな…」

頭を掻き曖昧に答える瞬夜先生。

「言ってましたよー。何ならボイスレコーダーで録音しているんで聞いてみますかー」


そういって了はボイスレコーダーをポケットから取り出し、瞬夜先生に聞かせた。

(何でそんなもん持ってるんだよ…しかも何時も持ち歩いてんのか、それ…)

「何でそんなもん持ってんだよ!!」

瞬夜先生は俺と同じような突っ込みをした。


「常識じゃないですかー」

「いや、違うだろ!」

「いつ、いかなる時でも用意周到にしておかないとですよー」

「何の用意だよ…」

「脅しとか強請りとかですかねー」


さらりと怖いことを教師の目の前で堂々と言う了は大物だと思ってしまった。

(相変わらず…腹黒いというかなんというか…)

敵に回すと了は恐ろしい。見方でいてくれると頼もしいやつだ。


「おまっ、お前っ物騒なことをさらりと教師の前で堂々と言うな!」