「女の子は仲良くなるのが早いですねー」
砕けた物言いで言ってくる彼に視線を向けた。
彼は気付いたみたい。
「俺は水野 了って言います。よろしくお願いしますねー星名さん。あ、それとも爽歌さんとお呼びした方がよろしいでしょうかー?」
「ど、どちらでも…」
彼は手を差し出しつられて私も握手をした。
「あ、はい」
「しかし、ほんとー綺麗で可愛い声ですねー」
「いえいえ、そんな…私なんか」
「おや、謙虚な方なんですねー」
「そうよ、何も謙遜することはないわ。本当に爽歌はいい声をしてるもの」
うんうんと頷く黒崎君たちに私はなんだか恥ずかしくなってきて下に俯いた。
普段、暴言や罵倒などを聞いてるせいかほめ慣れていない私である。
照れくささと恥ずかしさでしばらくは顔を上げる事ができないだろう。


