笑いを止め
「おかしかった。普通は頭が頭痛なのでって言うべきよ。腹痛はお腹が痛い時のことね」
直された。
俺は日本語っていうよりも語学が苦手だ。
しかも、毎回テストで国語・古典だけは赤点を免れる程度くらい苦手だ。
「苦手なんだよ・・・語学が」
顔を掻きながら、そっぽを向く俺に星名は微笑む。
「一つくらい苦手なものがあってもいいわよね・・・人間なんだから」
悲しそうに言う星名はまるで自分が完璧じゃないといけないような言い方だった。
「星名?」
「何?」
もう少し頼ってほしい、彼女を守ってあげたいと思えたから俺は聞いてみた。
「話してくれないか?俺じゃ頼りないかもしれないけど・・・」
力になってあげたい。
その思いが通じたのかつらそうな顔をしながらも彼女は語った。
自分が入学したころからいじめを受けていたこと。
何度も暴言を吐かれたこと、
物はよくなくなったり、ノートや教科書は常に悲惨な状態で
靴も隠されたり、墨汁につけられたり、
ジャージもそうだ、と。
おまけに誰も味方にはなってくれずして、挙句に皆そのいじめを参加しているということ。
ただ見ている人は何も口出してはきてくれない。
おまけに災厄なことに担任には頼れないと言った。
理由は担任もそれに加担しているからだと。
そんな教師がいるのか!?と耳を疑いたくなってしまった。
そして、今日、この時間で担任に髪を切られようとしたところを必死で逃げてきたと彼女は徒然という。
たかが、髪をまとめてないせいでそこまでするのか?
それだったら、他の生徒はどうなんだという話になる。
髪をまとめてない生徒なんてこの学園には五万といる。
それを校則違反なんて頭がイカれてるとしか言いようがない。


