さあ、俺と秘密をはじめよう




何故か今、星名を抱きしめてる俺です。

もうかれこれ10分くらい。

泣いていた星名があんまりにも綺麗で可愛くて

そして、これ以上、君が泣いているところを見たくなくて・・・


つい手が出てしまい現状に至るわけだ。


なんでこうなってしまったんだ?と俺ですら疑問に思い悩んでいる。


自分の行動が訳わかんない。理解不能だ。


星名は星名で俺の背中に手をまわしてきて抱きしめてるしで、

きっと俺の顔は真っ赤だ。星名に見られなくて良かったと思った。


星名の髪から漂う香り、女の子ってこんなにも柔らかくて、きっと力を入れたらもろく壊れてしまうんだろうなとすら思える細さ。


そして、温かい。

(安心する)


何時間でもこうしていたいと思ってしまうくらいだ。

だけど、もうそろそろ離れなきゃいけないな。


「もう泣きやんだな。えっと・・・急に抱きしめてごめん」

「・・・ううん。ありがとぅ・・・」

星名は軽く頬を染め下を俯く。


お互い少し沈黙する。

そして、何故かお互いコンクリートの上で正座をする。



沈黙に耐え切れなかったのか先に口を開いたのは星名だった。

「じゅ、授業大丈夫なの?」

「あ、うん。抜け出してきた。っていうか、頭が腹痛なのでって言ってきた」

また沈黙が続くかと思いきや星名がくすくすと笑いだした。


「ふふ・・・あはは」

なんで笑ってるのか不明だったが彼女が笑ってくれただけでも嬉しい。

周りに花が咲いたみたいに思えた。


お腹を抱え爆笑する彼女は目に涙をため、

「おかしいー、頭が腹痛って・・・」

(どこがおかしい?そんなに爆笑するほどのことなのか?)