「止めておいた方がいいと思うんですけどねー」
了はため息をつき、尚弥は真剣な顔をする。
「知砂がお前のことす――――」
尚弥が言いかけると廊下から誰かのすごい地響きが聞こえてきた。
しかも、ものすごいスピードでこっちに向かってきた。
ドンとドアが開き、尚弥に向かって飛び回し蹴りがきた。
それを殺った正体は知砂だった。
「言わんこっちゃない…。まあ自業自得ですよねー」
了は同情する余地もないように吐き捨てた。
「はあ…はあ…」
息が上がっているせいなのか知砂の頬は真っ赤だった。
「嫌な予感がしてみて帰ってきてみれば…尚弥!!あんたまた余計なことを…」
右手を握りしめ、震えあがっていた知砂は怒っていた。
(余計なことって何だ?)


