私は手の甲を見る。まだ少し血が溢れでてる。
「痛い・・・」
こんな傷で髪を守れたことに良かったと感じた。
怪我するより髪が大切って普通は誰もがありえないと言ってくるだろう。
だけど、私は怪我するよりも髪が大切だ。
昔の女性のように、髪は女の命・・・。
手の甲からじわじわとする痛みより心の痛みの方が酷かった。
「・・・弱音なんか吐いちゃダメ・・・」
空を見上げ、私はポツリとつぶやく。
こんな時でも、空は澄んでいて綺麗な青色。
だけど私の心は涙色だった。
(私は空っぽだ・・・。泣きたいのに泣けない・・・)
そして、何だか激しく歌いたくなり空に向かって歌いだす。
歌は私の心・・・歌で私は感情を表す―――。
そう感情を―――思いを込めて歌にする。
魂の叫びをこの声に大きく乗せて――――。
「♪―――凛と 咲いた花 は―― うぶかしげにー
枯れていく 友に 何を問うの――――――♪」


