ううん、こんなの端っから分かっていたことだ。
この世は不条理なのだと。言い換えれば不条理こそが現実なのだと。
だからこそ、私は誰にも頼らずこの人たちに抗わなければならない。
戦わなければいけない。
だけど…この人たちが怖いと感じる。
次はどんな手を出すのだろうか。
そんな考えが頭に纏わりつく。
先生は口を開き企みをいっぱい含めた笑顔で
「そうだな…罰は…髪を切っちゃおうか」
教室中賛成の声が上がる中、私は衝撃を受ける。
(え…?)
「誰か、切るものを持ってないか」
と呼びかける中
富田くんはカッターを取り出し先生に渡す。
「いや、やめて!!」
私は抵抗する。
(髪だけはやめて!!)
髪を切るのは一瞬だ。だけど伸ばすのには時間がかかる。
「こら、おとなしくしろ!せっかく私が切ってやるんだから。お前もこれですっきりするだろ」
「やだっ。やめて!!」
先生はカッターの刃を出し、私の髪に当てる。
「せっかく、伸ばした髪なんです…。…やめて!」
私は抵抗する。
「そんな貞子みたいな髪うざいから切っちゃえば?」
森さんは嘲笑う。


