了に続いて尚弥、昌太は一歩後ろへと下がる。


「どうしたんだ?」

「陽、お前鈍すぎ・・・あの知砂のドスぐr・・・ごふっ…ぐっえっ・・・」


呆れた顔をした尚弥は俺に何か言い終わる前に知砂が鳩尾に一瞬の正拳を繰り出し、回し蹴りを尚弥に喰らわせ気絶した。見事なコンボだ。



きっと天に召された尚弥良い人生を送ったに違いないだろう。

(尚弥・・・成仏しろよ。生涯、俺はお前のことを忘れないからな)

喰らわせた後、知砂は俺たちに振り向き

「何か見た?」

目が据わって微笑む。


「「「いいえ、何も見てません」」」

首を横にふる。


「何で、あいつ機嫌が悪いんだ?」

「陽・・・お前気付きてないのか?」

「何が?」

俺たちは知砂に聞こえないように会話をする。

はあ・・・と昌太と了はため息をつく。


知砂がなんで機嫌が悪いのか原因を考えた。


今朝、食べたご飯がまずかったからか?それとも体育の授業でヘマをしでかしたからか?

または・・・あの体育のスケベ教師に変なことをされたとか?

(だとしたら、あの教師・・・許せねー)


「俺、原因分かったかも・・・」

「お、何だ言ってみろ」

「あの、体育のスケベ教師にいやらしいことをされた?」

「「・・・・・・」」

はあ~とため息をつく昌太たちは呆れた顔をする。


「俺、頭が痛くなってきた・・・」

「奇遇ですね。俺もですよー。知砂さんに同情しますよー・・・」

「だな」

「え?え?何?」

俺を置いて勝手に話を進める。