さあ、俺と秘密をはじめよう



なので、人使いがとても荒く、外道でとても怖い支配人には誰も逆らわない。

あーでも、一応支配人の名誉のためにこれだけは言っておこう。

支配人は意外と面倒見がよく、何故かモテます。

なおかつ、昔お世話になり今もお世話になってる。

16になったばかりのガキの俺がここで3年も働かせてもらっているのも支配人のおかげだから

文句は言わず働いてる。

こんなところって言っちゃー悪いけど、

おかげさまでたくさんの酒の種類およびカクテルの作り方までなんやらかんやらと出来るようになった。

うん、できなきゃー使いものにならないし、

支配人…番長に殺される。

そんなこんなで今日も精一杯お客様の為に最高のおもてなしをしています。



「おまたせいたしました。Etudeです」


お客様の前にグラスを置いて、俺は笑顔を作る。

接客は笑顔が大切だ。

「あ…どうも…」

女性のお客様は頬をそっと赤らめた。

そして、俺は次の仕事へ―――と思ったら、服の裾を掴まれた。

「ねぇ、君名まえはなんていうの?」

逆ナン!?

歳は俺よりも5・6歳上ってところかな。

うーん、体はまあまあってところか、顔も。

厚化粧しすぎかな。もう少しナチュラルだったら―――って何、冷静に分析?をしてんだ。

はっ!?後ろから殺気!?