「大和ぉ!ママのコテ知らない?巻き髪したいんだけどぉ」

「えっと確か洗面所の棚の上かな」

「大和くーん俺の財布どこかで見なかった?」

「父さんのスーツの右ポケット」


俺はとにかく今の生活から解放されたかった。



「「にぃにごはーん」」

「はいはい今できますよ」


俺は田口大和。

西園寺学園に通う高等部2年、一応特待生で生徒会長をしている。

部活は剣道部でしかも主将。

しかし…

苦労続きの毎日。

家事にバイトに勉強に部活に忙しい毎日。

両親は事業に失敗し、一気にどん底生活になってしまった。

母さんはお嬢様育ちのため家事が苦手だ。

いつも手伝いたいとかやりたいとか言ってるけど母さんにやらせたらこの家はきっとめちゃくちゃになるだろう。

父さんはサラリーマンがこりごりらしく、いつも楽な仕事を探し求め就職活動中だ。

今の仕事は一応顔がいいからってバーテンの仕事をしている。

それと俺には7人の弟と妹がいる。

そんな俺はいつだって家族に頼りにされてきた。


だから俺は叶えたい夢ができたんだ。