「原田さん、ありがとうございました」



「何がだ?」


「私の話を聞いてくださって……」



「あぁ、どういたしまして」



原田さんは優しく微笑んで、頭をポンポンと撫でてくれた




「私、原田さんに出逢えてよかったです」


「俺もだよ」




『柚希奈ちゃ~ん』



遠くから、私を呼んでいる沖田さんの声が聞こえた



あ!!そういえば、私、稽古場を何も言わずに出て来ちゃったんだ…!!



「原田さん、私行きます…」


「あぁ」



私は急いで沖田さんの声がする方へむかった