「ねぇ!!聞いてんの!!」



「へ?」



「だーかーらっ!!あの女と何話してたのか、って訊いてんの!!」



「あっ…」



ブロッコリーを箸に挟んだままキョトンとする僕の隣には、殻つきヒヨコを象った茹でウズラ卵をツンツンと突っつき、伏し目がちに呟く彼女。



「あの子…って?」



「えっ。そっ、それは…」



「伊藤サン?」



「………」



瞬間、コテッと小首を傾げながら覗き込む僕から逃げるように俯いてしまった彼女は、そのまま黙り込んでしまった。