だけど、彼の瞳があまりに真剣だったから 私は自分から反らす事なんてできなかった。 他のお客様の目もあるし! 仕事中だし! 先輩恐いのにーっ! と、パニック状態の私を嘲笑うように彼がとどめを刺してきた。 「君の名前が知りたいな」 ボソッと呟いた一言が、心臓を撃ち抜いた。 やっぱり、凄くカッコいい――…… だけどだけど、 平常心! 「お飲物がご入り用になりましたら、コールでお呼びください。失礼いたします」 よく言えたよ! 私、CAの鏡だ! まだ日は浅いけど!