夜行便は、ディナーが終わると早々に就寝タイムへと移り変わる。 夜の時間帯は枕やブランケットを貸し出す。 それらを抱えて、必要な人に配りながら歩いている。 すると、最後尾の30のAが通路から顔を出して私に向かって手招きをしている。 呼んでる…… 手元のコールボタンを使わずに、手招きしていた。 私は、振りかえって他の人を呼んでいるわけじゃない事を確認してから彼の元へとむかう。