プルルプルル

私はいつものように海渡に電話をする。

『どうした?』

彼は私からの電話だとわかっているから

いつもこうやって出てくれる

『あのさ、相談があるんだけど・・・』

いくら、兄的な存在の海渡でもさすがに言いづらかった。

『ん?どうかしたん?』

心配そうに聞いてくれる海渡。

『実はさ、なんか2組の京介や連見てると変な気持ちになるんだよね
これなんだろう・・・。』

自分でも分かりたくないと思いつつ海渡に聞いてみる。

『んー、お前連か京介のどっちか好きなんじゃねぇの?』

やっぱり、そう帰ってくると思った。

『え?!そっそんなわけないよ』

焦りながら返事する私。

『ほら、そういう返事の仕方が怪しいんだよ』

気づきたくない、そう思いながらも少しづつ

私の心の思いは変化していく。

『連か京介を好き?この私が?』

『あぁ、どっちか・・・な。』

少しづつ理解していく私、これが中学はいって初めて気づいた恋。

いや、気づかされた恋なのかもしれない。

『そっか・・・ありがと海渡。私少し考えてみる』

『あぁ、またいつでも相談乗るよ』

さすがに私もこれ以上話すのは難しいから

ここらへんで切り上げる。

『じゃぁね』

ガチャ――

電話が終わったあと私は考えた。

本当に私は彼らのどちらかが好きなのか・・・。 

ひたすら考えた。

後で後悔するとも知らずに・・・。