- π PI Ⅱ -【BL】



刹那さんは俺の隣でにこにこ。


「周に任されたのよ。あなたを迎えに行ってほしいって」


「あいつが!?何のために!」


「世の中ぶっそーでしょ?あたしが守ってあげる」なんて刹那さんは色っぽい視線で見つめてきて、俺の腕に自分の手を絡ませてくる。


いや…いやいやいやいや…あなたが一番物騒ですけど。


何せ国際的な指名手配犯!


って、そんな常識、周と刹那さんにだけは通じないか。


それに刹那さんは喋れば喋るほど、不思議なことに怖いとか気味悪いとか気持ちが薄れていくんだ。


早々に諦めて、俺はため息を付いた。


「俺、男ですよ。守られるほうじゃなく、むしろ守る立場にあって」


「あら。そんなつまらないこと気にしないで。あたしはヒロと一緒に居たいんですもの。それにあたしはその辺の男よりも強いわよ」


なんてぎゅぅと引き寄せられる。


ええ…色んな意味で強そうですよね、あなたは。


って、そんなことより!


む、胸!そのご立派な胸が当たってるんスけど!!


ってかやっぱり女の人って柔らかいな。


体だけじゃなく、声も香りも、全部。


ってか、いかんいかん。変なこと考えるな、俺!


普通ならこんな美人に言い寄られて、悪い気がする男なんて居ないだろうが。


何にも感じん。


それに、認めたくはないが俺は周の妻(?)だ。


それに―――





「刹那さん、ホントは周に会いに来たんでしょう?あいつが好きなんでしょう?」





言いたくなかったけど、もやもやした気持ちを少しでもすっきりさせたかった。


俺を狙ってるなんて嘘に決まってる。周の方が俺の何倍もかっこいいし、頼りになるし、金持ってるし、変態で意味不明だけど、本当は―――すっごく優しいし。


「そうよ」と聞いたらまた考え方も変わってくるし…


なんて真剣に考え込んでいると、




「はぁ?」




刹那さんは頓狂な声を上げて、そのきれいな顔を歪めた。