刹那さんは俺の隣でにこにこ。
「周に任されたのよ。あなたを迎えに行ってほしいって」
「あいつが!?何のために!」
「世の中ぶっそーでしょ?あたしが守ってあげる」なんて刹那さんは色っぽい視線で見つめてきて、俺の腕に自分の手を絡ませてくる。
いや…いやいやいやいや…あなたが一番物騒ですけど。
何せ国際的な指名手配犯!
って、そんな常識、周と刹那さんにだけは通じないか。
それに刹那さんは喋れば喋るほど、不思議なことに怖いとか気味悪いとか気持ちが薄れていくんだ。
早々に諦めて、俺はため息を付いた。
「俺、男ですよ。守られるほうじゃなく、むしろ守る立場にあって」
「あら。そんなつまらないこと気にしないで。あたしはヒロと一緒に居たいんですもの。それにあたしはその辺の男よりも強いわよ」
なんてぎゅぅと引き寄せられる。
ええ…色んな意味で強そうですよね、あなたは。
って、そんなことより!
む、胸!そのご立派な胸が当たってるんスけど!!
ってかやっぱり女の人って柔らかいな。
体だけじゃなく、声も香りも、全部。
ってか、いかんいかん。変なこと考えるな、俺!
普通ならこんな美人に言い寄られて、悪い気がする男なんて居ないだろうが。
何にも感じん。
それに、認めたくはないが俺は周の妻(?)だ。
それに―――
「刹那さん、ホントは周に会いに来たんでしょう?あいつが好きなんでしょう?」
言いたくなかったけど、もやもやした気持ちを少しでもすっきりさせたかった。
俺を狙ってるなんて嘘に決まってる。周の方が俺の何倍もかっこいいし、頼りになるし、金持ってるし、変態で意味不明だけど、本当は―――すっごく優しいし。
「そうよ」と聞いたらまた考え方も変わってくるし…
なんて真剣に考え込んでいると、
「はぁ?」
刹那さんは頓狂な声を上げて、そのきれいな顔を歪めた。



