- π PI Ⅱ -【BL】




―――……


「いいのかよ。あんなこと言って」


食後のワインを飲みながら俺は気になっていたことを切り出した。


「あんなこと?ああ、俺のハニーが男だってことか」


と俺の隣でつまみのチーズをかじっていた周はさらりと答える。


警察組織って良くわかんねぇけど、閉鎖的なイメージがあるし、何より色恋沙汰のスキャンダルなんてもってのほか…


じゃねぇの?


周の相手が男だって知れたら地方に飛ばされたりなんか…


なんて不安に思っていると、


「お前は何も心配するな。それに警察では別に珍しいもんじゃない。警察組織なんて圧倒的に女が少ない。激務の中で出逢いもない中、その道に走るヤツも少なくない」


なんてしれっと言う。


そ、そーなの…!?







「俺はたとえお前が女だろうと男だろうと、堂々と紹介する。何も恥じることはないし、間違ってないんだからな。



むしろ良く出来る嫁をもらったことを自慢したいぐらいだ」





“嫁”と言うところに若干引っかかりを覚えつつも…


なんて言って俺を覗き込んでくる周の目は真剣で…揺るぎが無くて、




俺はそんなまっすぐな周が



好きなんだ。