―――……
「いいのかよ。あんなこと言って」
食後のワインを飲みながら俺は気になっていたことを切り出した。
「あんなこと?ああ、俺のハニーが男だってことか」
と俺の隣でつまみのチーズをかじっていた周はさらりと答える。
警察組織って良くわかんねぇけど、閉鎖的なイメージがあるし、何より色恋沙汰のスキャンダルなんてもってのほか…
じゃねぇの?
周の相手が男だって知れたら地方に飛ばされたりなんか…
なんて不安に思っていると、
「お前は何も心配するな。それに警察では別に珍しいもんじゃない。警察組織なんて圧倒的に女が少ない。激務の中で出逢いもない中、その道に走るヤツも少なくない」
なんてしれっと言う。
そ、そーなの…!?
「俺はたとえお前が女だろうと男だろうと、堂々と紹介する。何も恥じることはないし、間違ってないんだからな。
むしろ良く出来る嫁をもらったことを自慢したいぐらいだ」
“嫁”と言うところに若干引っかかりを覚えつつも…
なんて言って俺を覗き込んでくる周の目は真剣で…揺るぎが無くて、
俺はそんなまっすぐな周が
好きなんだ。



