周の見えない攻撃に三好が危険を察知したのか、いち早く逃げていった。
あとに残された俺と周。
「なんっでお前がここに居るんだよ!」俺が睨むと、
「この付近で聞き込みがあったからな。ってのはついでで、本当はヒロに会いに来た」
なんてさらり。
いや…会いに来たほうがついでだろ。
何て呆れて腰を降ろすと、何気なく女の方に視線が行った。
名も知らない彼女は―――
いつの間にか姿を消していた。
あれ?いつの間に…
首をかしげていると、
「あの男と早速浮気か?俺様と言う夫がありながら、お前は酷いな」と周は泣き真似をする。
「誰が浮気なんてするか。俺はお前の相手だけで手一杯だっつの。それに男に浮気なんてありえないから。
お前が特別だ」
普通に言ってしまって慌てて口を噤んだがもう遅い。
「ヒロ~♪」
人目も憚らず抱きしめてこようとする周を殴ったのは
言うまでもない。



