「いいオトコこそ早く結婚しちゃうものね~」なんて言いながら、一人の女の子が俺の隣に腰掛けてくる。
「三好さんは?結婚する予定はないの?」
「俺?俺は当分ないかな…相手もいないし」
人妻(?)に熱烈!片思い中だ。なんて言えない…
「そうなの??じゃ、あたし立候補してもいい?」女の子が目を輝かせる。
「え、立候補?」
「うん♪早速今日飲みにでも行かない??二人で」
二人で……
俺はその子をまじまじと見つめた。
可愛い子だった。ついでに元気で明るそうなところが俺のタイプでもある。
でも…
「わり。今日先約があるんだワ」
「え~~~」
と女の子は不服そうに唇を尖らせて、それでもとりあえずは諦めて帰っていった。
ちなみに先約などない。
再三言うが、可愛い子だった。俺のタイプでもあった。
しかも相手は、女!だ。
それなのに―――
「電話してきた~」とにこにこ、白い歯を見せて笑う桐ヶ谷を見て、
ドキリ!まるで心臓がひっくり返るぐらい、俺の心をこいつは鷲づかみにする。
だって何かすっげぇ笑顔が眩しいんだもん!



