「ん゛!ぅ゛ん゛ーーー!(訳:おいっ!外だっつうの!!)」
唇を塞がれたまま俺が喚いていると、唇の合わせめから飴が入ってきた。
イチゴの甘ったるい味に、ほんの少し周のタバコの香りが混ざって、俺の背中を甘美な何かが走る。
飴を俺の口に移すと、周は味わうようにぺろりと俺の唇を舐めて、舌を出した。
「口移しだ♪うまいだろ?」
いやいやいや…確かに…旨いけど…
そろりと前を見ると、前の車からカップルと思われる男女が目を開いてこっちを見ていた。
あからさまに目が合うと彼らが慌てて顔を背ける。
ばっちり☆見られてたってわけだ…
「さっきから気になっていたんだが、前の車の女がお前のことをちらちら気にしていたんでね。牽制だ」
なんて周はふんと言って、面白くなさそうに腕を組んだ。
「……あぁ…そーですか…」
もう何も反論する気になれない。
って言うか俺が間違っていた。こいつとまともなデートができるなんて、土台無理な話なわけで。
タバコを吸い終わった周の手がそろりと俺の下半身に伸びてきて、俺はそれを乱暴に遮った。
油断してるとこいつに喰われる!
デートってこんなに体力要るもんだっけ??喧嘩でもないのに、相手とバトルなんて…
こんなデートいやーーーー!!!



