わたしだけを見てほしいのに

それから2日後の夜
リビングでTVを見ていたら
携帯が光った

悠斗くんからの着信だった

ずっと携帯が手放せなかった私は
膝の上にあった携帯を掴んで
慌てて自分の部屋に向かいながら
通話ボタンを押す

「もしもし?」
「あ、俺だけど今大丈夫かな?」
「うん大丈夫だよ。」

そっとドアノブをひねって
部屋に滑り込む
胸がドキドキする
バレないように
携帯に手をあてて深呼吸した

「ライヴの日程が決まったよ。」

電話でもよくとおる
優しい、声
自分の中からどんどん
感情があふれてくるのが分かった