翌朝から私は
1本前の電車に乗る事を辞めた

いつも通りの時間に通学して
帰りの電車も
無理して早い時間に
乗る事を辞めた

それでも何故か
悠斗くんや麗亜に
電車でバッタリ会う事は
無かった

私は今までの悩んでばかりいて
楽しめていなかった毎日を
取り戻すように
映奈や他の友達と
遊ぶ時間を増やした

純哉くんの元カノの仁絵ちゃんとは
あの一件から
よく話すようになっていた

あるお昼休み
私は映奈と仁絵ちゃんと
学食に居た

仁絵ちゃんはすでに
2コ上の先輩と付き合っていて
純哉くんへの未練はなく
映奈もそれを知ってからは
仁絵ちゃんと
仲良くするようになっていた

「それで、悠くんとはそれっきり
連絡取ってないの?」

食後のガールズトーク。
いちご牛乳のパックに
ストローを差しながら
仁絵ちゃんが少し真剣な表情で
聞いてくる。

「うん、全く。」
「そっかあ。悠くんも所詮、
その程度だったのか。」

しみじみと
仁絵ちゃんが遠い目をしてみせた。