わたしだけを見てほしいのに

2階への階段を上ると
山川さんの部屋のドアは開いていて
レゲエの音楽が聞こえてくる。

部屋に入ると
甘ったるいお香の香りが広がっていた。

「お邪魔します。」
「入ってー。ごめんね!坂井さん。
近所だから頼まれちゃったんでしょ。」

クッションを手渡されて
2人が座るソファの向かいに
私も座った。

山川さんは、かなり焼いていて
完全にギャルに変身してた。

ホットパンツからのびる細い足に
派手なネイルアートのペディキュア
映えていた。