わたしだけを見てほしいのに

ライヴが終わった

悠斗くんが居なくなって
明るくなったライヴハウス

レイアが会場から居なくなるまで
彼女の小さくてきれいな横顔から
私は目が離せなかった

「香乃子、楽屋いこ!」

映奈は私の心中には
何も気づいてない

楽屋には行きたくない。
悠斗くんに会うのが怖い。
でも・・・

悠斗くんを問いつめたい気持ちが
膨れ上がってくるのに
会うのが怖くて仕方なかった

正直、どうすればいいのか
わからない。

「香乃子?」
「映奈、私、今日は帰る。」
「え?悠斗くんに
会わないの?」
「うん。なんだか頭痛くて。」