……よし、こうなったら。 「佐伯くん、あの……」 言いかけた私に、「葵ちゃん!」と誰かが呼んだ。 「――っ はい!」 突然の呼び声に振り向くと、受付のおばさんだった。 内心ホッとしながらおばさんのもとへ向かうと、おばさんは手に入館証と貸し出しカードと分厚い本を持ち、 「ごめんなさいね。 実はこれ、都築くんの忘れ物なんだけど」 言って、私にそれを見せてきた。 .