10センチメートル☆ロマンス





「――っ」



 離れていく彼のシャツを、思わずバッと掴んでしまった。




「―――…物足りないの?」


 意地悪な顔でフッと笑う彼は―――小学生の仕草じゃない…っ!




「なっ、生意気だぁー!!」



 私はからかわれた事に気づいた瞬間、キスの事なんて、一瞬で忘れしまった。




 あははっと笑ってる彼。


 私もいつの間にか笑ってた。


 ……図書館というのをすっかり忘れて。







「……早紀ちゃんに感謝しなきゃ」



 呟くと「そうだね」と、彼も頷く。