10センチメートル☆ロマンス





「――っ ふ…っ」



 止まったはずの涙が溢れてしまって。
 その場に座り込んでしまった。




「本当に困った人だね」


 そう言って、全然困ってない顔で優しく頭を撫でてくれる彼。




「……他に言うことは?」


 どこまでも優しい声に、私はゆっくり顔を上げた。



「もう、無いの?」



 首を傾けながら聞いてくる彼に……


「……いで…」

 小さな、囁くような声が出た。



「え?」


「―――あの子にベタベタ触らせないで。

 嫌なの。 他の子に触られるのが、イヤ」