10センチメートル☆ロマンス





「―――俺との間に、勝手に壁を作らないで。

 俺との間に、勝手に距離を作らないでよ」




 蒼くんの見つめる先に、私が居ていいのかな?





「……蒼くんが中学三年生で……私、スーツ着ちゃうかもよ?」



「いいよ」


「……蒼くんが、社会人になる時には……お局様って呼ばれてる、かもよ?」


「ははっ いいよ。

 まぁ、その頃には別の就職先が待ってるかもしれないけどね?」



 彼の言葉に私が頭を傾げると、


「名字が変わってしまう、永久就職。

 ―――いいと思わない?」


 意地悪そうな笑顔で。


 小さな未来がただの夢物語だとしても、私の心が羽根のように軽くなる。