「―――俺との間に、勝手に壁を作らないで。
俺との間に、勝手に距離を作らないでよ」
蒼くんの見つめる先に、私が居ていいのかな?
「……蒼くんが中学三年生で……私、スーツ着ちゃうかもよ?」
「いいよ」
「……蒼くんが、社会人になる時には……お局様って呼ばれてる、かもよ?」
「ははっ いいよ。
まぁ、その頃には別の就職先が待ってるかもしれないけどね?」
彼の言葉に私が頭を傾げると、
「名字が変わってしまう、永久就職。
―――いいと思わない?」
意地悪そうな笑顔で。
小さな未来がただの夢物語だとしても、私の心が羽根のように軽くなる。
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