10センチメートル☆ロマンス





「蒼、くん……怒った、の…?」



 止まりかけた涙が、また溢れ出す。





「―――怒ってる」




 一際低い声で、私を睨む彼。

 オロオロする私を見て苛ついたのか、彼は睨みつけていた瞳を伏せ、肩を揺らして盛大な溜め息を吐くと、口を開いた。



「……何でそうなるの?


 学生同士だと何かが変わるの?

 周りの人を満足させるために俺達は一緒にいるの?


 周りの目を気にしないと……俺達は、一緒にいれないの?」




 ―――彼の小さな怒りは、私の涙を止めた。




「……俺で葵さんの未来が決まるなんて、そんなのは嫌だ。

 葵さんの重荷になるなんて、嫌なんだ」