10センチメートル☆ロマンス





 蒼くんが、珍しく目を見開いて私を見た。


 それに気づかぬフリしてぎこちなく手を振ると、早々に立ち去った。

 彼が私を呼んでる声がしたけど……振り返れずに、ただ、歩き続ける。





 ……どうしちゃったの?私……




 今まではどんな時間になっても、終わるまで待って一緒に帰ってた。

 蒼くんだって別に、帰って欲しくてあんな事言った訳じゃない。



 分かってる。

 分かってるのに……




「――はぁ…」



 私のバカ。



 蒼くんは絶対変に思ったはず。

 こんな事するつもりなかったのに……。




 行きと同じように落ち込んだまま、家までの道をゆっくり帰っていった。