10センチメートル☆ロマンス





 ―――いた…。



 町の図書館にしては難しい本が並んでる場所。

 この奥まった場所に、蒼くんはいた。


 脚立を椅子がわりにして、何かを考えてる横顔が見える。



「蒼くん…っ」


 私は足早に彼に近づき、かがんで抱き付いた。



「わ、我が儘言って……ごめん、なさい」


 さっき止まったはずの涙が溢れてくる。



「怒らない、で」


 ……しゃくってまともに言葉にならない私は、首にガッチリと腕を回し、離れないように締め付けた。



 そのままの姿で、蒼くんは黙ったまま。
 ―――不意に、私の背中に手を回してきた。