―――いた…。 町の図書館にしては難しい本が並んでる場所。 この奥まった場所に、蒼くんはいた。 脚立を椅子がわりにして、何かを考えてる横顔が見える。 「蒼くん…っ」 私は足早に彼に近づき、かがんで抱き付いた。 「わ、我が儘言って……ごめん、なさい」 さっき止まったはずの涙が溢れてくる。 「怒らない、で」 ……しゃくってまともに言葉にならない私は、首にガッチリと腕を回し、離れないように締め付けた。 そのままの姿で、蒼くんは黙ったまま。 ―――不意に、私の背中に手を回してきた。 .