10センチメートル☆ロマンス





 蒼くんはだいぶ奥にある本棚に着くと、脚立を使って棚に本を戻す。


 私は彼に近づき、見上げた。



「ごめんね。彼、高校のクラスメイトで……」

「それが?」


 え?


「俺には関係ないから」



 無表情の蒼くんが、私を見下ろす。



「あの人に教えてもらうと良い。俺も大学の教授から論文頼まれてたから、ちょうど良かった」



 無表情の、何の感情もない顔の蒼くんが、私を見つめる。



「わ…たし、なんかした?」


 なんで?

 さっきまで仲良くやってたよね?