10センチメートル☆ロマンス





「葵さんもクラス戻らないとマズいんじゃない?」



 蒼くんが時計を見ると、私を見た。



「あ……うん。そろそろ戻らなきゃ…」


 私は座り込んでいたのを立ち上がり、スカートを叩く。



「蒼くん達はまだ見て回るでしょ?」

「いや。 俺はこれから用事があるから帰るよ」



 ――え?



「え…っ 何で?

 今日一緒に見て回れるんじゃなかったの?!」


 そのために委員会の時間ズラしてもらったのに!



「今日はフランスの教授から頼まれた資料を目通さないといけないんだ。
 もう時間だし……」


 そう言ってチラリと時計を見ると、すでに14時近くだった。