10センチメートル☆ロマンス





「……少年……


 まぁ、いいわ。

 葵をこれ以上泣かせないでよ」



 何か言いたいのを堪えるようにそう言うと、身を翻し廊下を突き進んで行く早紀ちゃん。





「……早紀さんは葵さんが大好きなんだね」


 少し疲れたような声でそう言いながら、蒼くんは私から少し体を離し、下駄箱に寄りかかった。



「あ…ごめん、なさい…」


 私は床に座り込んでしまい、蒼くんを見上げたまま、今までの色々な事を含ませて謝った。



「もういいよ。

 葵さんがお馬鹿なのは今に始まった事じゃないし」



 しれっとしながら私に酷いことを言うけど。今回は私が全面的に悪いから、何も言い返せない。