佐伯くんは私の睨みつけるような眼差しに一瞬たじろいで……掴んでいた手の力を抜いた。 ――瞬間。 私は佐伯くんの腕から抜け出し、蒼くんを追った。 「月島…っ! 待てよっ!」 走る私を佐伯くんも追ってくる。 廊下を歩く他の人たちが何事かと見るけど、気にしてられない。 蒼くんが、行ってしまう。 ハァ…ッ ハァ…ッ 「――蒼くん…っ」 階段を下りて一階に辿り着いたけど。蒼くん達の姿が見えない。 「―――葵…っ!」 下駄箱から外へ出ようとすると、追いついた佐伯くんに手を掴まれた。 .