「蒼くん…っ 待って!」 やっと蒼くんに追い付くと、腕を掴んで引き止めた。 「――触るなっ」 ……けど。 掴んだ手を思い切り振り払い、私を温度のない瞳で見上げた彼。 「蒼くん…わ、たし」 喉がカラカラでうまく声が出ない。 蒼くんは感情の無い瞳で私を見つめたまま。 「私、何か気に障ることした…?」 払われた手が、ジンジンする。ソッと、もう片方の手で握るけど…… 手よりも、心が、痛い。 少しの間があって、蒼くんが口を開いた。 .