10センチメートル☆ロマンス





ガタンッ


 大きな音がして向くと、蒼くんが立ち上がった拍子に椅子がズレた音だった。

 その音をみんな気にせず、「お前ら付き合ってんのかよ〜」なんて、話題が私と佐伯くんになってしまってる。




「蒼くん…!」


 私は蒼くんのそばに行こうとしたけど……足が、動かない。

 だって……蒼くんが今までに無いような目つきで私を睨んでるから。




 ……なんで……?


 蒼くんはフイっと目を逸らすと、教室から出て行ってしまった。
 その姿に聡くんと大悟くんは慌てて後を追う。




「――蒼くん…っ」



 訳が分からず震える足を無理矢理動かし追いかける。


 後ろから早紀ちゃんの呼び声が聞こえたけど。

 そんなの、私を止める理由にはならなかった。