10センチメートル☆ロマンス





 佐伯くんは私の後ろからお腹を抱えるように抱き上げたまま、放してくれない。


 ……わざとなわけ、無いよね…?




「蒼一郎…! 大丈夫か?!」



 声に、慌てて目を向けると。

 蒼くんは聡くんと大悟くんに「大丈夫だ」と言いながら、服を整えていた。



「――蒼くんっ」


 私は佐伯くんを振り切り、慌てて蒼くんの元へ走る。




「ごめん…っ 私のせいで危ない目に……!」


 言いながら、涙が出てくる。
 それを見た蒼くんは、苦しそうな笑みで。


「――違う。 葵さんのせいじゃないから。

 助けられなくて……ごめん」


 そう言った後、下唇を噛んで俯いてしまった。