10センチメートル☆ロマンス





 パパさんは意地悪く笑い、蒼くんを見る。


 そのやりとりに、私はオロオロするばかり。



 蒼くんに目をやると、


「……それでも。 葵さんに触れるのは父さんでも許さない」


 パパさんの挑発にも似た言葉に、蒼くんは静かに怒りを出した。




「――行くよ」


 そう言って私の手を取り、歩き出す。



 ――っていうか!

 まだ競技終わってないんじゃ?!



 慌てて振り返ると、小学生、保護者、全ての人がこちらを見て沸き上がってた。

 校庭で退場のために並んでいた5、6年生達もすでにグチャグチャになり、こちらを見てる。


 パパさんはニッコリ笑いながら手を振っていた。



 ……もう、カオスの世界だ……。