10センチメートル☆ロマンス





「……蒼くん、席に戻らなくていいの?」



 段々人気は無くなりひたすら歩いていくと、昇降口が出てきた。


 私の呼びかけに蒼くんは黙ったまま、歩き続ける。




 ……やっぱり怒ってるっ!



 気落ちしながら心の中で、“何で来ちゃったんだろ。……嫌われたかな”なんて。

 マイナスな事ばかりが頭をよぎる。





 昇降口の階段を二段上り、蒼くんは急に振り返った。



ビクッ


 無表情の蒼くんが、私を見据える。



「……で、葵さんが何でここにいるの?」