あれから少し落ち着いて、男の子が他の問題も教えてくれると言ってくれたのでお願いする事にした。 今は古文。 「ねぇ。そういえば君の名前、なんて言うの?」 空調が効いてる図書館での時間は穏やかに過ぎていく。 私は、彼と知り合って小一時間。名前を聞いていない事に今更気付いたのだ。 「俺の名前は……都築、蒼一郎」 ノートの隅にこれまたキレイな字で書いた男の子。 「……蒼一郎くん、かぁ。ふふっ」 私が笑ったのをバカにされたと勘違いした彼が、眉間にしわを寄せながら「何?」と聞いてきた。 .