「いやぁ~。萌ちゃん、悪いわね!」

「イイエ、ベツニ」


悪びれもなく、私に保健室の掃除をやらせているのは


ココの主。
門園若葉
先・生で。


なんか、すっごい見た目が若いから
なんでそんなに見た目若いんですか。

って、聞いてみたら


”色々、ワケがあるのよ!萌ちゃん!”


......。
...そうですか。


としか、返せなかった覚えがある。


それよりも、


どうしてここは。

一日で。



ゴミだめに豹変するのだろうか。




「...」

「あ!萌ちゃん、萌ちゃん!」

「!?」


いきなり大声で人の名前を叫び出すから、何かと思えば。


「萌ちゃんさぁ?恋しちゃったでしょ!」

「...は?」

「だ・か・ら・!」

「妙にためないでください、気持ち悪い」

「え、ひどい」

「じゃあ、終わったので帰ります。さよなら」

「あ!ちょっと!?」



そう言って私は、
踵を返した。


...動揺した顔を、見られないように。